お墓のお骨がいっぱいになってしまったけど、どうすればいいのかしら?
お墓のお骨がいっぱいになった場合は、粉骨して骨壺を小さくするか、一部のお骨を永代供養に移すのがおすすめです。
金銭的に余裕があれば、改葬するのもいいでしょう。
上記した方法であれば、ご先祖様のお骨を適切に供養できます。
一方、お墓のお骨がいっぱいになったときに避けるべき対処法も存在するため、注意が必要です。
今回は、お墓のお骨がいっぱいになったときにおすすめの対処法と避けるべき対処法を、それぞれご紹介していきます。
- カロートにお骨がいっぱいのときの3つの対処法
- お墓のお骨がいっぱいでもおすすめしない3つの対応
- カロートにお骨がいっぱいのときのよくある質問
本記事をご一読いただければ、お墓のお骨がいっぱいになってしまっても、焦らず適切な対処ができるようになるでしょう。
お墓のお骨がいっぱいになったときに困らないよう、ぜひ最後までお読みください。
石一筋135年の石材店が次世代に思いを継ぐ墓づくりを提案
創業135年(2023年現在)、北海道を代表する石材店として滝川市で歴史を刻み「お墓は人生の物語」をテーマに墓石デザインプロデューサーとして、大切な人の想いを未来の家族に届けるお墓づくりを目指します。
カロート(納骨室)の大きさはお墓によって異なる
カロートとは、お墓の中のお骨を安置するスペースを指します。
一般的なカロートのサイズは、幅40~70cm、奥行き50~90cm、深さ40~80cm程度です。
収容人数は、骨壺にお骨を納めた場合で、6〜8人程度となります。
骨壺を使用せず、さらし袋という袋にお骨を入れて納めたり、お骨をそのまま納めるという地域もあります。その場合は、スペースが広くなるので、収容人数も多少増えるでしょう。
また、カロートには段数もあり、段数が増えるごとに収容できる人数も増えますが、お墓の価格も上がっていきます。
カロートにお骨がいっぱいのときの3つの対処法
カロートにお骨がいっぱいのときの3つの対処法は以下のとおりです。
- 粉骨して骨壺を小さくする
- 一部のお骨を永代供養に移す
- 予算に余裕があるなら改葬する
順番に解説していきます。
粉骨して骨壺を小さくする
粉骨とは、お骨を砕いて、パウダー状に細かくする行為を指します。
粉骨すれば、お骨を納める骨壺のサイズを小さくできるので、カロート内にスペースができるでしょう。
例えば、関東だと、火葬後のお骨は直径約22cmの骨壺に納められますが、粉骨すれば、直径約15.5cmほどの骨壺に収容が可能になります。
お骨の量次第では、さらに小さい骨壺に収容できるケースもあるでしょう。また、粉骨にかかる費用の相場は、だいたい1〜3万円前後です。
粉骨にかかる費用は、以下の要素などによって変動します。
- 骨壺の大きさ
- 自身の立会いの有無
- 乾燥や洗浄の有無(お骨の状態)
- 粉骨業者への依頼方法(持ち込み、郵送、引き取り)
粉骨を業者に依頼する際は、何にどれだけの費用がかかっているのか、きちんと確認するようにしましょう。
一部のお骨を永代供養に移す
永代供養とは、霊園や寺院などが遺族の代わりにお骨を管理・供養するサービスを指します。
永代供養を選択する場合、カロートの中の古いお骨から順番に移していきましょう。
永代供養なら、カロートのスペースを確保しつつ、取り出したお骨の供養も霊園や寺院が行ってくれるので安心です。
新しくお墓を建てるわけではないので、費用もおさえられるでしょう。
ただし、永代供養はサービスによって供養方法が異なるので注意してください。永代供養の中には、合祀墓といって、他のご遺族のお骨と混ぜて供養する方法があります。
合祀墓の場合、後からお骨を取り出したくても復元ができません。
永代供養を選択する場合は、親族ともきちんと相談の上、供養方法を検討しましょう。
予算に余裕があるなら改葬する
改葬とは、今あるお墓を撤去した後にその土地を墓地管理者へ返却して、新しい場所にお墓を移して供養する行為を指します。
改葬して新しいお墓を建てる場合、費用の相場はだいたい200万円ぐらいです。
納骨できる人数を増やさなくてはいけないので、新しいお墓のカロートは、現行のお墓よりも必ず大きくしましょう。
改葬は費用面での負担は大きいかもしれませんが、長期間、ご先祖様のお骨をそのままの形で保管して供養できる方法です。
ご先祖様のお骨をご自身のもとで長く供養できるため、家族のつながりを強く感じられるでしょう。
予算に余裕のある方はぜひ検討してみてください。
お墓の建て替えのステップや注意点もあわせて確認しておきましょう。
また、昨今、少子化の未来を見据えた形として、一族集約型のお墓への改葬が注目されています。
例えば、叔父や叔母の家族などとお墓を集約するなどです。
墓所のスペースに余裕があるなら、ご先祖様を供養する(納骨する)五輪塔なども設けるのも検討してみてください。
一族集約型のお墓と、先祖供養塔を用意すれば、先祖供養とお墓参りが一つの場所で完結します。
親族のお墓をあちこちお詣りする必要がないため、利便性が向上するのでおすすめです。
ネット墓ならいつでも供養ができる
ネット墓とは、インターネット上に設置する仮想的な墓地を指します。
ネット墓のページには、故人の写真や生涯のエピソードの掲載が可能で、いつでも、どこにいても故人を供養できます。
山崎石材工業のネット墓は、分骨して一部を海に散骨しつつネット墓を利用して手元供養も可能で、永代供養とも相性がいいです。
改葬をする場合もネット墓を導入すれば、なかなかお墓参りにいけないときでも、自宅で故人とのつながりを感じられます。
墓石にネット墓につながるQRコードを刻印できるので、お墓参りの際も、故人との思い出の写真を見ながら供養できるのでおすすめです。
例えば、全国様々な場所に親族がいて、どこにお墓を建立するべきか迷っているという方などには、とても有効な手段でしょう。
半永久的に使えるネット墓を建墓前に持てば、お墓選びの際、心と時間に余裕が生まれるというメリットもあります。
また、ネット墓は有事の際のバックアップとしても活用可能です。
戒名や法名などは、戸籍謄本では出てきません。
これまではお寺の檀家に日本人は帰属していましたが、今は檀家がないという方も多くなっています。
ネット墓はこれから普及するであろう新しい供養の形ですので、ぜひ導入を検討してみてください。
お墓のお骨がいっぱいでもおすすめしない3つの対応
お墓のお骨がいっぱいでもおすすめしない3つの対応は以下のとおりです。
- 粉骨してお墓のカロートに撒く
- ご先祖様のお骨を散骨する
- 費用がかからないからと安易に手元供養する
ひとつずつ説明していきます。
粉骨してお墓のカロートに撒く
ご先祖様のお骨を土に還す方法です。
お墓の種類にもよりますが、カロートは全面コンクリートではなく、底の一部が土になっています。
粉骨したご先祖様のお骨を土の部分にまいて、カロートのスペースを確保しようという考えですが、基本的におすすめはできません。
まず、粉骨したお骨を直に土にまくというのは、心理的に抵抗のある方もいるのではないでしょうか。
また、土に還ってしまうと復元が不可能になります。
そのため、後から永代供養や改葬に切り替えたいと思っても、供養できなくなってしまうのです。後悔しないよう、カロートにお骨をまくのは避けたほうが無難でしょう。
しかし、どうしても粉骨して土に還したいという方は、腐葉土の含んだ黒土をお骨の上にかけ、少し水分を含ませると土に還りやすくなります。
黒土は、人があまり踏み入れていない広葉樹の森の土がおすすめです。
ちなみに、粉骨せずに焼骨したお骨を納骨する場合、一般的なカロートだと、200年以上は土に還らないので注意しましょう。
ご先祖様のお骨を散骨する
散骨とは、空・海・山などに、粉骨したお骨をまく行為を指します。
面識のないご先祖様のお骨を勝手に散骨するのはおすすめできません。まず、親族からの反対にあう可能性があるでしょう。
また、散骨するとお骨の場所がわからなくなり、供養できなくなってしまいます。
散骨は、故人のゆかりの土地などで、故人の希望がある場合に行うケースが多いでしょう。
しかし、面識のないご先祖様の場合、そもそもゆかりの土地がどこかわからないケースもあるはずです。
費用面で見ても、粉骨して骨壺を小さくする方が安いか、ほとんど差はありません。どうしても散骨したい場合は、分骨して、一部を散骨するのがいいでしょう。
費用がかからないからと安易に手元供養する
手元供養とは、お骨を自宅や身の回りで管理し、供養する方法です。
骨壺を用意して自宅保管したり、お骨をペンダントにして着用したりと様々な方法がありますが、ほとんど費用はかかりません。高くても、費用は数十万円程度でおさえられます。
しかし、費用だけに注目し、安易に手元供養を選ぶのはおすすめしません。
手元供養には、自己管理が必須というデメリットも存在するためです。
例えば、自宅保管の場合、お骨にカビが生えないように、湿度の低い場所を選ぶ必要があります。地震などの災害時には、手元供養品が破損したり、お骨の紛失リスクにも備えなければいけないでしょう。
また、手元供養をしていた人が亡くなった場合、後継者はお骨の管理に戸惑ってしまうかもしれません。手元供養は、自己管理の手間も鑑みて慎重に検討するべきでしょう。
カロートにお骨がいっぱいのときのよくある質問
こちらでは、カロートにお骨がいっぱいになってしまったときのよくある質問についてとりあげました。
- 遺骨の処分をしたい場合はどうすれば良いですか
- 骨壺のお骨は最終的にどうなりますか
- 次男以降は本家のお墓に入れますか
カロートのお骨がいっぱいになってしまった方が、実際に悩むであろう質問だと思いますので、ぜひチェックしてみてください。
遺骨の処分をしたい場合はどうすれば良いですか
遺骨を処分する方法については、既に説明した永代供養に移す方法や散骨の他に、以下の2つがあります。
- 遺骨の引き取り拒否
- 焼き切り
自治体によりますが、火葬場で遺骨の引き取りを拒否できます。
お住まいの自治体が対応可能かどうかを事前に確認しましょう。また、火葬場で遺骨を全て焼き切ってもらうという手段もあります。
こちらも火葬場によって対応の可否がありますので、事前に確認が必要です。
遺骨を勝手に捨てる行為は法律で禁じられていますので、絶対にやめましょう。
骨壺のお骨は最終的にどうなりますか
骨壺の中のお骨は、多くの場合、そのままの形で残り続けます。
ちなみに、骨壺の中は湿気が多く水がたまり、カビが発生しやすい環境になっているので注意が必要です。
骨壺は昔の素焼きだと水が抜けますが、昨今の塗りの壺だと、カロート内で結露して、蓋が閉まっていても水がたまってしまうケースあります。
お骨を骨壺に入れたまま納めたい方は、下に水抜きの穴があいている専用の骨壺に移し替えるのがおすすめです。
既存の骨カメに穴をあけるのは、割れる可能性もあるため控えましょう。
次男以降は本家のお墓に入れますか
結論としては、次男以降も本家のお墓に入れます。
日本には家制度の慣習があり、一昔前だと、次男以降は本家のお墓に入れませんでした。次男以降は自分でお墓を建てていたのです。
しかし、現在では家制度の慣習も薄れてきており、必ずしも本家のお墓に入れるのは長男だけではなくなりました。
ただし、墓地や霊園の規約によっては、長男と次男以降は一緒のお墓に入れない場合もあるため、注意しましょう。
また、昨今では、嫁いだ娘の夫が次男以下である場合、娘家族と両家墓に改葬するケースも急増しています。
一度合祀墓に入れてしまうとお骨を取り出すのは不可能なので、このような選択肢も考えましょう。
両家墓は、半永久的に使えるネット墓とも相性が良いです。
まとめ
今回は、お墓のお骨がいっぱいになったときにおすすめの対処法と、避けるべき対処法についてご紹介しました。
おすすめの対処法は3つあり、以下のとおりです。
- 粉骨して骨壺を小さくする
- 一部のお骨を永代供養に移す
- 予算に余裕があるなら改葬する
上記3点に加え、ネット墓を利用するのもおすすめです。
また、避けるべき対処法は以下の3つでした。
- 粉骨してお墓のカロートに撒く
- ご先祖様のお骨を散骨する
- 費用がかからないからと安易に手元供養する
お骨がいっぱいになってしまったときの対処は、後の先祖供養に影響します。
ご自身にとってベストな選択をよく考えて、後悔のないようにしましょう。
山崎石材工業では、無料にてお墓のことをご相談いただけます。もしカロート内のお骨に関してお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。