道内に樹木葬の森を
Posted: 2014.06.11
樹木葬、桜葬という埋葬方法が、都市部を中心に出来てきました。
お墓の管理に対して、心配な方などを中心に利用者が増えてきているようです。
それとは、別の視点で昨日の北海道新聞に札幌市立大学の上田裕文志講師が
北海道で日本初の「樹木葬の森」誕生に強い期待感を示した講演をされたそうです。
自然保護、レクリエーションなど、森林の多面的な機能に墓地という機能が加わった形で
樹木葬墓地を観光地などに作り、地域のシンボルのようにしているのが特徴だそうです。
私自身も、樹木葬に近い発想の墓地は、ドイツのフランクフルトの公営墓地や
スウェーデン、ストックホルムの墓地、デンマーク、コペンハーゲン、オーデンセと
いくつかの樹木葬墓地、またお墓がアートとお花畑がコラボしているスイス、チューリッヒの
墓地など訪れておりますが、自然と一体感のある墓地はとても気持ちが癒される空間です。
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コペンハーゲンの墓地
さて、日本のお墓は「墓石」の名の通り、石でつくられているものがほとんどです。
硬くて重い石を加工し、お墓という家族の想いを石に刻み込む作業工程はそれなりに
時間と手間がかかるので、ある程度の金額となります。
その変わり、欧米に比較して殺風景な日本の公営墓地は、管理する自治体にとっても
墓地の管理経費は、これまた欧米に比較して限りなく少額であります。
それだけ、自然と景観を大切にしている欧米の多くの墓地は、管理経費を日本から比較すると
莫大に費用をかけています。自然は、人の手を入れないと、癒されるどころか
逆にうっそうと茂る樹木や笹薮となり、足を踏み入れるところではなくなります。
(シンプルに説明すると、個人がお墓に直接お金をかけるのが、日本で
欧米の樹木葬的な墓地は、税金(個人から納税されたお金なので間接的)から捻出されている。)
北海道らしい自然を生かした樹木葬、莫大な景観管理費をうまく捻出することが
出来れば面白い取組となると思います。
ただし、「北海道は明治以来の移民が多く、日本の伝統的な家族墓への
執着が薄いと考えられます。」 上田裕文氏談
と書かれておりますが、北海道の開拓の歴史と共に、北海道からの創業夫婦初の大きな家族墓が
北海道には多くみられます。
札幌市里塚霊園(元豊平墓地から移転したお墓)
やはり上田裕文氏の発言のように、世代が変わっていくと
そのような北海道民の開拓精神は忘れられてるのかなと少し残念に感じてしまいました。
そのような側面でとらえると、人間は忘れる動物です。東日本大震災の未来への教訓問題にもあるように、
形に残すこと、そして言い伝えていくことの大切さも感じます。
家族の痕跡であり、絆の証としても、石に想いを刻むことは、重要かと思います。
少子化とはいえ、子供を産み、未来の家族を継承している人たちもたくさんおります。
上記の事を鑑みると、樹木葬と石に想いを刻むモニュメントがコラボする墓地の形態が
私自身、日本人には望ましい墓地なのではないかと思いますが、皆様いかがでしょうか?